体外診断用医療機器(IVD)をEU内で販売するには、CEマークを表示する必要があります。CEマークは、機器が、適用されるIVD規制に適合していることの証明です。CEマークは、法定製造業者がその機器を評価し、体外診断用医療機器指令(IVDD 98/79/EC)の基本的要求事項または体外診断用医療機器規則(IVDR 2017/746)の安全性と性能に関する一般的要求事項を満たしていることを確認済みであることを示します。法定製造業者は、該当するEU規則のすべての要求事項への適合性を検証し、それをEU適合宣言書に記載しなければなりません。リスクが高い機器(IVDDのList A、Bの機器と自己検査機器、並びにIVDRのクラスA滅菌機器とクラスB、C、D機器)は、ノーティファイドボディによる審査、認証が必要です。ノーティファイドボディは、事業者の品質マネジメントシステムと技術文書を欧州規制に基づいて審査し、準拠していればCEマーキング認証を発行します。
体外診断用医療機器のCE認証取得プロセス
ここではCE認証取得プロセスをステップごとにわかりやすく説明しています。PDFフォーマットでダウンロード可能です。各ステップをEメールで送りたい場合は、下記のテキストをコピー&ペーストするか、このウェブページのアドレスを記載してください。
ステップ1
IVDRのトレーニングを受けた、規制遵守の責任を負うQualified personを任命します。
IVDRのAnnex VIII(クラス分類ルール)を用いて機器が該当するクラスを特定します。機器の意図される使用目的を明確に定義し、それがIVDR Annex I 20.4.1 c) に示されている基準をすべて満たしているかを基に判断します。
ステップ2
クラスA(非滅菌)機器を除くすべての機器は、IVDRおよびEN ISO 13485に沿った品質マネジメントシステム(QMS)の構築が必要です。QMSでは、規制遵守、性能評価、市販後調査(PMS)、EUDAMED登録、エコノミックオペレーターの管理、技術文書および市販後性能フォローアップ(PMPF)に責任を負う者向けに、品質マネジメントプロセスを明確にすることが求められます。ノーティファイドボディが非通知で行う監査に関して、主な請負業者やサプライヤーと書面で取り決めをします。エコノミックオペレーター(例:販売代理店、輸入業者、EU代理人)管理に関して文書で取り決めをします。
ステップ3
IVDRのAnnex IIとIIIに沿って、技術文書を準備します。機器、意図した使用、性能試験計画および報告書、性能評価(科学的妥当性、分析性能、臨床性能)、リスクマネジメント、IFU、ラベリング、PMS、PMPF、EUDAMED登録などを記載します。
ステップ4
必要に応じてEUDAMEDでUDI(機器固有識別子)を取得します。(体外診断用医療機器のクラスにより、必要かどうか、また、必要となる時期が異なります。)UDIを技術文書(例:IFU、ラベル、適合宣言書)に記載します。
EUDAMEDに関係する事業者(エコノミックオペレーター)を登録します。単一登録番号(SRN)を取得します。医療機器・体外診断用医療機器を欧州市場で扱う法律上の機器製造業者、代理人、システム/プロシージャジャーパック作成者、輸入業者のすべてに発行されます。
ステップ5
欧州に拠点がない事業者は、EU内に所在する代理人(EC REP)を指名します。この代理人は、規制関連事項を処理する権限を持ちます。EC REPの名前と住所を機器ラベルに記載します。規制機関より、単一登録番号(SRN)を取得します。
ステップ6
クラスA(非滅菌)機器を除くすべての機器は、ノーティファイドボディによるQMSと技術文書の審査を受けます。ノーティファイドボディは、欧州の各国当局が指定する独立第三者の適合性評価組織で、医療機器事業者および製品について、適用される欧州連合規則に適合しているかどうかの審査の実施します。
ステップ7
クラスA(非滅菌)機器を除くすべての機器は、 ノーティファイドボディの審査を受けます。合格すると、機器には欧州委員会のCEマーキング認証が、施設にはISO 13485認証が発行されます。ISO 13485認証は、毎年更新する必要があります。CE認証は通常最大5年間有効で、ノーティファイドボディによる年次監査の際に再審査が行われます。
ステップ8
IVDR付属書IVに沿った適合宣言書を作成します。機器が欧州の適用規則の要求事項を遵守していることを事業者が宣言する法的拘束力のある文書です。以上のステップを完了して、CEマークを表示することができるようになります。
ステップ9
クラスA(非滅菌)機器は、ノーティファイドボディの介入を必要としません。ただし、最新の技術水準に適合していることを証明する書類、性能評価報告書、技術文書、サプライヤーやエコノミックぺレーターの管理、ビジランスや市販後市場調査(PMS)に関する文書は、常に最新の状態を維持しておく必要があります。EU当局は、市場監視活動の現場監査を行いますが、事前の通知がある場合も、予告なしで抜き打ちで行う場合もあります。監査は、請負業者やサプライヤーに及ぶ場合もあります。
それ以外のクラスの体外診断用医療機器は毎年ノーティファイドボディの監査を受け、IVDRへの遵守が維持されていることが確認されます。監査に不合格になると、CEマーキング認証が取り消されます。認証を取り消されないための具体的な対策としては、技術文書と最新の技術水準への適合を示す書類の更新作業を怠らないこと、また、新しいPMSを積極的に取り入れ、PMPF(市販後性能フォローアップ)を続けていることが重要です。
*注:IVDRでは、現在自己宣言している体外診断用医療機器の約80パーセントがより上のクラスに分類され、ノーティファイドボディの審査が必要となることが予測されています。これに該当する場合は、IVDRの適用日(2022年5月26日)までにノーティファイドボディが発行するIVDRの適合性証明を取得していないと、市販が継続できなくなります。
以上がプロセスの概要です。ノーティファイドボディは、提出された文書を精査した結果、追加資料を要求する可能性もあります。その場合には、承認までにより時間がかかることになります。
RAMS(Regulatory Affairs Management Suite)から、規制プロセスチャートを無料でダウンロードいただくことができます。RAMSアカウントを作成し、下記リンクからダウンロードしてください。
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