分析

当社のUE/HFE専門家は、安全で、効果的な、使用できる製品のデザイン設計ができるように、広範囲にわたって分析するとともに、ヒューマンファクタ設計への適用に関する規制を順守します。当社では、ユーザと製品との間の、感性や感情の動きが作用する心理的インタラクションと、何からの身体的操作が伴う身体的なインタラクションに重点を置いたさまざまな分析方法を含んだパッケージを、UE/HFEに関する「ツールキット」と呼んでおります。

総合的な使用に関するリスク分析は、安全な製品を開発するうえで重要です。弊社はこれまでにクライアントに代わって、もしくは協業して、多くの分析を行ってきました。

医療製品および消費者向け製品の使用に関連するリスク分析

当社の使用に関するリスク分析では、ユーザが引き起こす可能性のある使用エラーを特定していきます。さまざまなPSF(人間の行動に影響を与える要因)を想定し、ユーザが製品とのインタラクション(やりとり)のなかで使用エラーを引き起こす可能性のある、あらゆる状況について考察します。 例えば、夜間、乱気流の中、救急ヘリで重症患者を輸送中、救急隊員が患者用モニター/除細動器を操作しているときに、起こる可能性のある使用エラーを洗い出します。

当社では、分析手法をいくつか用いて、ユーザが引き起こす可能性がある使用エラーを特定します。 そして、特定した使用エラーの発生確率およびその危害の重大さからリスクを推定します。リスク評価には、潜在的な危害(ユーザが被る恐れのある危害)の重大さのレベルおよびエラー因子の発生確率が含まれますが、リスク軽減において最も考慮しなければならないのが、潜在的な危害の重大さです。

タスク分析

作業分析

当社では、製品(開発中の製品、改良した製品、最終段階の製品)のユーザインタフェースにおけるユーザが遂行するタスクの流れを分析します。 一般に、当社の分析には知覚([P]erceptions)、認知過程([C]ognitive steps)、およびユーザの行為([A]ctions)の順序と相互関係の特定が含まれます(これはしばしば「PCD分析」と呼ばれ、FDAの医療機器開発ガイダンスにおいて言及されています)。 この分析では、使用ミスを減らしたり、インタラクション(相互作用)効果が向上する可能性のある箇所を明確にします。

Task Analysis


ハザード分析

当社のハザード分析は、タスク分析の補完として行います。ユーザが遂行するタスクの流れから、どのような使用エラーが危害につながるかを考察する一方で、ハザード分析では危害をまず想定し、それがどのような使用エラーによって起こるかを考察します。そのために、当社では以下のような危害を想定して分析を開始する場合があります: 熱傷(温熱、化学)、感電、生物学的汚染(感染)、放射能被曝、さまざまな種類の物理的、心的外傷。そして、このような危害が、どのような使用エラーやその他の要因から引き起こされるかを分析します。

一例を挙げると、感電が起きたのは、ユーザーが患者モニターの配線を、データ転送ポートではなく電源コンセントに挿してしまったからだと考察します。弊社アナリストは安全性を損なう脅威については、先の例で言えば、配線の形状を電源コンセントに挿せないようなものにし、適切なケーブルポートだけに挿入できる形状にすることを推奨します。


既知の有害事象分析

開発中の製品に類似する既存製品が、これまでどのような使用エラーが起きていたかの情報を収集することは賢明です。実際、過去にどのような有害事象が起きているかを調査する既知の有害事象分析(KPA)は、医療機器の設計段階で非常に重要な作業となります。

本分析では、有害事象データベース(例:MAUDE)、顧客苦情システムからのデータ、また製品トレーナーやユーザからの声から入手できる情報(レポート等)を用いて分析します。

ユーザーインターフェースがどのような使用ミスを引き起こす可能性があるか、問題点を明確に記述したリストを最終成果物として作成します。このような情報や見識を設計仕様に反映させることで、開発段階で製品の使用ミスに対する脆弱性を取り除くことができます。


有害事象の分析

当社UE/HFE専門家は、有害事象研究とその原因となる可能性の高い事象を特定します。有害事象分析の例:

  • 手術チームのメンバーが、胸部の受動的ドレーンに高圧吸引を用いて致命的な肺損傷を起こした場合、外科用吸引システムのユーザインタフェースが、どのように使用エラーを誘発したのかを解明します。
  • 血液透析装置が患者の体内から体液を過剰に取り除いてしまい、致命的な体液量減少を引き起こした場合、ユーザ(看護師やME)がなぜ過剰な除去量に気づけなかったのか、血液透析装置のユーザインタフェースに関わる使用エラーを特定します。
  • 自動体外式除細動器(AED)が充電されていない状態のままになっていたことで、生死にかかわる不整脈を発症した患者に即座に使用できなかった場合、なぜ充電についての確認が見落とされたのか、AEDのユーザインタフェースの観点から特定します。

HFRDの分析では、有害事象とユーザーとのインタラクション(相互作用)の調査、製品ユーザーインターフェースのヒューマンファクターの適切性のレビュー、その他行動形成因子の考察を行い、設計の欠陥から生じる有害事象について仮説を立てます。製品設計の不備を発見することもありますし、ユーザーインターフェースは使用ミスの原因にはならないという結論に至ることもあります。


人体測定分析

当社のUE/HFE専門家は、長年にわたって確立されてきた人体測定分析について熟知しております。人体の寸法、形状、強度、可動域、その他の身体的特徴に関する幅広いデータを使用して、幾何学的調査(二次元および三次元)を行います。 これらの調査により、製品を使用する想定ユーザの身体的特徴と製品の適合性を確認することができます。当社の人体測定分析事例を一部紹介します。

  • CATスキャナーのユーザが、さまざまな傾斜面にとりつけられたコントロールパネル上の各ボタンに届くことができるか。
  • 小柄な女性でも、どの程度の負荷であれば、緊急時に故障中の自動ドラッグデリバリー機器のレバーを開けることはできるか。
  • 手術器具では、手が極端に大きな人でも小さな人でも持ち易く、適切に使用することが可能な寸法設計となっているか。
  • 外科医が操作する手術支援ロボットの座位・立位両用ワークステーションを構成する部品の寸法や設置位置は適切かどうか。